◆わたしのヒーロー◆
ーーー世界は救わない。
それでも忘れられない人がいる。ーーー
〜特別な能力はありません。
世界を救う予定もありません。
それでも、たまに誰かの記憶に残る人がいます。
これは、そんな「私のヒーロー」の話です。

第2話 「傘」
傘を持って歩くのが嫌いな人間と、
傘をオシャレだと思って持ち歩いている人間がいる。
世の中には、その二種類しかいないと、
わたしは勝手に思っている。
昔はそういう時もあり、
わたしも後者だったし、
何本と傘をなくしたかも数え切れない。
そして傘はオシャレの一部で、
それなりにこだわっていた遠い記憶がある。
しかし今は違う。
冬は寒いから、
両手はなるべくポケットに入れておきたい。
さらに最近の夏は暑すぎるので、
傘を持つかどうか以前に、
外に出ることさえも、少ししんどいほどだ。
しかも最近はゲリラだし豪雨だし、
もはや傘なんてものは
意味を持たない気がしている。
だから基本的に、傘は持たない。
とはいえ、濡れるのは嫌だし、
何といっても
独り身のおじさんの
小さな強がりとでもいうのか、
天気も見てないやつだと思われたくもない。
そんな理由で、
これは来るぞと思う日は、
折りたたみ傘をひっそりと
カバンに忍ばせている。
そして――
さっきまで降っていなかった雨ってやつは、
駅を降りるのを見計らって
だいたい降ってくるのが常だ。
そしてわたしは、
傘を持っていない人の横を、
カバンからサッと折りたたみ傘を
取り出しながら歩き出した瞬間、
心の中で、
かつて西武ライオンズにいた
デストラーデのように、
右腕を大きく引き込む
ガッツポーズをしたのである。
〜END
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次回第3話 「チャリン」
次回も少しだけガッツポーズはでるか・・・
【あとがき】
前回に引き続き、
おじさんの小さなこだわり、
そして自分にしかわからない
誰も負けがいない
自分だけの小さな勝利。そんな第2話になりました。
すこしでもみなさんに
主人公のこだわりが伝わってくれたら嬉しいです。
次は第3話でまた自分ににしかわからない
小さな勝利がでるのか、
それとも、、、
次回第3話お楽しみにお待ちいただけたら嬉しいです。
毎日連載で一気に13話まで掲載していきますので
お楽しみにお待ちください。
今日も第2話を最後までお読みいただき
本当にありがとうございました。
〜Sincerely,Stillframe〜