stillframeのブログ

物語や言葉の置き場所  日常のふとしたこと

一気読み全5話  勝手にエンディング 少し切なく、少し嬉しい物語

第1話 勝手に塩クロワッサン

 

いつも決まった時間にパンを買いに来る女性がいる。

 

私はその時間が近づいてくると

店の中を綺麗に整理し、

時間を見計らって焼き上がったばかりの

彼女がよく買うクロワッサンを並べ

その時間を待った。

 

別に彼女が気になるとか、

どうのこうのというわけではない、

ただクロワッサンを食べて欲しいだけだ。

 

そして店を閉める時間になった。

寒かったせいかお客様もあまり来なかったが、

彼女も来なかった。

 

別に彼女のせいではないが、

今日は余ったクロワッサンを

持って帰ることにした。

 

帰り道、彼女が彼氏らしい男性と

パスタ屋さんに入っていくのが見えた。

 

家につき、ふとさっきのことを思い出した。

「そっか、今日はパスタな気分だったんだな」

と勝手にフラれた自分に言い聞かせながら、

余ったクロワッサンを食べた。

 

塩クロワッサンのせいか

今日のクロワッサンは少し

しょっぱい味がした。

〜END

 

 

 

第2話 勝手にスカビオサの花

 

毎週日曜日の夕方スカビオサの花を

買いに来る女性がいる。

 

私はその時間が近づいてくると

店の中を綺麗に整理し、

時間を見計らって昨日仕入れてきた

スカビオサの花を入り口近くの

見えやすい位置に出して

その時間を待った。

 

別に彼女が気になるとか、

どうのこうのというわけではない、

ただスカビオサの花を買って欲しいだけだ。

 

 

そして店を閉める時間になった。

雨が降ったせいかお客様も

あまり来なかったが、

彼女も来なかった。

 

別に彼女のせいではないが、

今日は余ったスカビオサの花を持って

帰り飾る事にした。

 

帰り道、彼女が彼氏らしい男性と

バラの花を持ち歩いているのが見えた。

 

家につき、ふとさっきのことを思い出した。

「やっぱりバラの花は華やかだな」

と勝手にフラれた自分に言い聞かせながら、

スカビオサの花を飾った。

 

不幸な恋、スカビオサには

そんな花言葉もあるらしい。

〜END

 

 

 

第3話 勝手にロン毛

 

毎月髪を切りにくる女性がいる。

 

私はその日は休みだったが

シフトを変わってくれという事で

その日は出勤し彼女が来る

その時間を待った。

 

別に彼女が気になるとか、

どうのこうのというわけではない、

ただシフトを変わっただけだ。

 

 

そして店を閉める時間になった。

猛暑のせいかお客様もあまり来なかったが、

彼女も来なかった。

 

別に彼女のせいではないが、

今日で6連勤目だ。

 

帰り道、彼女が彼氏らしい長髪の男性と

歩いているのが見えた。

 

家につき、ふとさっきのことを思い出した。

「そっか、暑いからそろそろ短髪にしよう」

と勝手にフラれた自分に言い聞かせながら、

自分で髪を少し切った。

 

そして明日で7連勤。

〜END

 

 

第4話 勝手にフレンチブルドッグ

 

いつも愛犬フレンチブルの朝の散歩中に

すれ違う女性がいる。

 

今日は朝寝坊して

慌てて飛び起き散歩の準備をし

家を出た。

 

別に彼女が気になるとか、

どうのこうのというわけではない、

愛犬のフレンチブルを

散歩に連れて行くだけだ。

 

 

そして散歩に出かけた。

少し風が強かったせいか他

に散歩してる方達も少なく、

彼女も来なかった。

 

別に彼女のせいではないが、

今日は夕方も愛犬の散歩に行く事にした。

 

帰り道、彼女が彼氏らしい男性と

猫カフェに入っていくのが見えた。

 

家につき、ふとさっきのことを思い出した。

「そっか、動物が好きなんだな」

勝手にフラれた自分に言い聞かせながら、

愛犬に餌をあげた。

 

珍しく今日は餌を少し残したみたいだ。

〜END

 

 

第5話 勝手にエンディング

 

ひょんな事から仲のいい別部署の同僚が

今度家に遊びに来る事になった。

 

私はその日が近づいてくると

彼女の好きな塩クロワッサンを用意し

好きな花と言っていたスカビオサの花を飾った。

別に今日の為ではないが美容院にも行って来た。

 

彼女のことは初めて見た時から気になっていた。

そして今日は告白すると決めていた。

 

 

そして約束の時間前に仕事が遅くなって

今日は来れないと彼女から連絡が入った。

 

別に彼女のせいではない、

ちゃんとした理由がある。

 

夜も更け家にいるとマンションの

隣くらいからフレンチブルらしい

犬の鳴き声が聞こえた。

 

そしてその時「ピンポーン」と家のチャイムがなった。

 

玄関を開けるとそこには彼女が立っていた。

〜END